ホーム DTFブログ 機能・スペック DTFプリンター(DTFプリント)とは?基礎知識をご紹介

DTFプリンター(DTFプリント)とは?基礎知識をご紹介

最新の転写用プリンターとして登場した「DTFプリンター」が、昨今ウェアプリント業界で話題となっています。
本記事では、ウェアプリント用の機材・資材の専門業者であるパイオテック株式会社が、熱転写のプロならでは視点で、最新技術DTFの基本的な情報を解説いたします。
※以下は、弊社取扱いのDTFプリンター

DTFプリンター・ DTFプリントとは?

新しい技術DTFプリンターが急速拡大!

最新の転写用プリンターとして登場した「DTFプリンター」が、昨今ウェアプリント業界で話題になっています。
『DTF』とは、 Direct To Filmの略で、その出力を担うのが「DTFプリンター」です。
具体的には、DTFプリンターはCMYKインクと白インクを搭載した水性インクジェットプリンターで、フィルム(ペットフィルム)にフルカラー印刷し、ホットメルトの転写シート(マーク)を製作する点にその特徴があります。
製作した転写シートをウェアなどに熱プレスして、プリントを完成させるのですが、この転写プリント手法である「DTFプリント」が注目をあびています。
※製作の詳細については、別途後述します。
DTFプリント(システム)とは、DTFプリンターを使用した転写シート(マーク)製作システムと言うわけです。
現に、海外ではこの新技術であるDTFプリンターの出荷が急速に拡大しているようです。

DTFプリントシステムについて

版なし! 自由なデザイン! フルカラー!
全自動で小ロット~量産、高品質マークを低価格で製作

DTFによる転写シート製作の手法には、面倒な作業が一切不要です。
しかも、全自動である上に、大量の転写シート(マーク)を高品質・低コストで製作出来るので、画期的なプリントシステムと言えます。
更に製版(版代)なしに出来るので、小ロット対応も可能なプリント手法です。
フルカラーでありデザイン上の制約もないので、従来は避けていたようなデザインでもプリントが可能で、プリントの潜在的な需要を掘り起こすことになるのではないでしょうか。
そしてプリント速度と発色精度は、今後も益々向上することが期待され、その幅広い可能性に期待が大きくなるばかりです。
とはいえ、DTFプリントが高品質・耐久性をそなえた全自動のプリント方式として確固たるポジションを築くためには、その肝になるのはまずDTFプリンターが「機材としての信頼性と操作性」を有することではないでしょうか。
なお、材料であるインク・フィルム・パウダーは、現時点でも十分に低コストであり、その品質の更なる向上と改善が進むであろうことは容易に想像がつきます。
DTFプリンターは、現在最も注目すべきプリント機材であり、プリント手法であることは間違いなさそうです。

DTFプリンターとDTFプリントシステム

水性インクジェット & パウダー(ホットメルトバインダー)の仕組みで生産性アップ

DTFのプリントシステムは、機材設備と材料で成り立ちます。

【設備】

  • DTF 水性インクジェットプリンター
  • バインダー定着機(シェーカー/オーブン)
  • 吸煙機

※DTFプリンターの機械構成として、プリンターとバインダー定着機を「連結したセパレートタイプ」と「統合したインテグレートタイプ」に大別できます。
【材料・消耗品】

  • フィルム(ペットフィルム)
  • インク(水性顔料インク ; CMYK & 白インク)
  • パウダー(ホットメルトバインダー)

●フィルムに印刷(CMYK+白)

工程は、まずDTFインクジェットプリンターでフィルムに印刷します。
何といっても、システムの鍵となるのはインクです。
弊社取扱いの「DTF用のインク」は、高い色濃度、広い色域、優れた彩度を実現します。
CMYKインクでの印刷後に、画像部分のみを全て網羅する形で白インクを印刷し、パウダー(ホットメルトバインダー)の塗布対象となります。

●画像部分にパウダーを塗布 → 融解 → 硬化・乾燥 → 転写シート

そしてパウダーを全体的均一に振りかけ、その後余分なパウダーを除去(再利用可)し、画像部分のみにパウダーが付着した状態になります。
その後バインダー定着機内でパウダーを熱処理で溶かした後、硬化・乾燥で固めて転写シートが完成します。
ここまでの一連の工程で転写シートの製作が完成しますので、画期的な手法と言えます。
たとえ微細なデザインや文字でも小ロットで高品質に製作する事ができます。
しかも、カス取り作業のミスによるやり直しやロスも最小限で済み、大幅なコストカットで生産性向上に貢献します。
なお、バインダー定着機(シェーカー)を使用すれば、インク部分だけにパウダーが自動塗布されるため、製版は要らず、しかも余分な部分を剥がす「カス取り作業」の手間や「リタック」も不要です。
バインダー定着機(シェーカー)の代わりに、手作業でパウダーを塗付し、ベーキングすることも可能です。
印刷後のシートをカットし、パウダー塗布後、硬化オーブンを使用する方法です。
加工対象であるウェア等素材へのプリント加工は、転写シートを熱プレス機で圧着するのみで済み、フィルムを剥離してプリントが完結します。

DTFプリントの制作フローについて

デザイン作成から素材へのプリントまでのフロー

【デザインの作成】
IllustratorやPhotoshopなどのグラフィック系ソフトでデザインを作成し、RIPソフトの操作に必要な画像形式(例. png形式 他)にします。

【RIP(ソフト)】
画像データを印刷データに変換し、このRIPによってCMYK色の上に白インクを印刷できるようにもなります。

【印刷】
フィルムにデザインを印刷します。
※CMYKインクで画像を印刷後、画像部分のみを全て網羅する形でCMYKインクの上に白インクを印刷します。

【パウダー(接着剤)塗布】
白インク部分にパウダーを塗布するために、印刷されたフィルムにパウダーを均一に振りかけ、余分なパウダーを振り落とします。

【パウダー(接着剤)を加熱融解&硬化・乾燥】
パウダーを熱処理で溶かした後、硬化・乾燥で固めて転写シートが完成します。

【熱プレス機で圧着】
熱プレス機(あるいはアイロン)を使い、転写シートを素材に圧着します。
最後は、フィルムを剥離してプリントが完結します。

DTFプリンターによる転写シート・フィルムの大きな利点

ガーメントプリンター:DTG(Direct to Garment)を凌駕するプリント手法!

「無製版」という利点はDTG(Direct to Garment)と同様ですが、DTGのように衣服に直接プリントするのではなく、DTFが一旦フィルムに印刷することの利点は多いです。
特に、プリント対象が幅広く、作業性が高い点は、他のプリント手法を凌駕します。
DTGは衣類に直接プリントする手法で、濃色生地やポリエステル生地の場合は、「前処理剤と呼ばれる液体を塗布(前処理)された生地」という条件がつきます。
一方、DTFプリントではそういった「前処理」は不要なのです。
しかも、DTGの場合は前処理剤の跡や匂いが残るため、そのケアが必要な場合があり、その分手間がかかります。
また、他の転写プリントの場合のように素材の材質や色によってシートの種類や手法を変える必要もありません。
DTFプリントが、全て同一シートで通用する点も大きな利点の一つです。
なお、海外ではDTGユーザーの殆どがDTFプリンターを購入しているという情報もあり、今後DTFプリンターの出荷台数がDTGプリンターを上回るという予想も出はじめています。

ウエアプリント市場へのインパクト

「前処理なし」で、濃色・ポリ・ナイロン等に「ワン(1)プレス」!
ランニングコストが低く、魅力的なプリント選択肢になる

DTFプリントが、白・淡色の生地はもちろん濃色生地の場合でも、「DTGのような前処理」を必要とせずプリント出来る点は先にも述べました。
しかも対象の素材は、綿のウェアだけでなく、ポリエステル生地、ナイロン製品、キャップ、デニム、エナメル素材、皮革、不織布(一部を除く)などなど、様々な種類の布/素材や用途に応用でき、プリントの大いなる可能性を感じさせてくれます。
また、同じインクジェット方式であるDTGや溶剤転写と比べた場合、材料/消耗品のコストは比較にならない程低いです。

さらに数値化・視覚化しにくい人件費の大幅な削減を含めると、その生産性は従来のコスト感覚を根底から変えるほどのインパクトとなります。
当然、前述の通り全自動・量産型なので、ウェアプリント業界は元より、プリント市場全体でのインパクトも計り知れないことになりそうです。

DTFプリントの品質について

アパレル、スポーツ、ユニフォームでも問題なし!

ウェアのプリント品質については、摩擦堅牢度・洗濯堅牢度、及びホルムアルデヒド(ホルマリン)の数値での品質判定が必要で、機種個々に検証と試験を行うことになります。
弊社事例で言うと、現在においてわかっている範囲では、水準を大幅にクリアする結果を得ており、問題ないものと思われます。
※少なくとも弊社では、基準に達しない機種・資材は取り扱わない方針です。
インクは、エコテックス(OEKO-TEX)認証を取得した安心・高品質インクを使用しています。
パウダー(ホットメルトバインダー)の安全性と品質についても、検査・検証した上で商品化します。
品質重視のアパレル製品や耐久性が求められるスポーツウェア・ユニフォームのみならず、キャップ、手袋、ソックス、更にはエナメルバッグ、小物ポーチ等ウェア以外の様々なグッズへのプリントが可能だと認識しています。 弊社では、こういった様々なプリント事例をご提案出来るよう準備を進めてまいります。

※なお、現在もDTFプリンターの新機能を研究中で、近いうちにその成果のひとつを公開する予定です。

パイオテック株式会社について

トナー転写・昇華転写や溶剤インクジェット転写及びラバープリントを中心に、各種熱転写を創業以来、長年手がけてきた弊社が、DTFプリンターの販売をスタートしました。

弊社はウェアプリント用の機材・資材の専門業者であり、熱転写のプロならではの最適なアドバイスをさせて頂きます。

ウェアのプリント品質については、摩擦堅牢度・洗濯堅牢度、及びホルムアルデヒド(ホルマリン)の数値での品質判定が必要で、機種個々に検証と試験を行うことになります。

少なくとも弊社では、基準に達しない機種・資材は取り扱わない方針です。

特に、洗濯堅牢度に大きな影響を与える転写温度やプレス回数については、突き詰めた検証を行っております。

通常のプレス条件でボディにDTF転写するだけでなく、例えばプレス温度を100℃と極端に低くしたり、プレス回数を1回にしたりと各種条件で試したのち、100回洗濯して耐久性をチェックするなど、テストを繰り返し、それをお客様にフィードバックさせて頂きます。

そして弊社では、無製版&カス取り無しでフィルムにベタプリントしてDTF転写し、シルクスクリーン印刷やラバー転写と同じような仕上がりを再現しました。

よってシルクスクリーン印刷やラバー転写の代用も可能です。

また、ナイロン撥水布、エナメル、六面パネルの帽子、PU等の合成皮革、雨傘、目の粗いニット製品等、様々な素材へのDTF転写をトライし、細かなノウハウを積み上げ続けております。

今後も、品質向上とインクのコストダウン及び印刷速度のアップ等を追求してまいります。

DTF転写は新たな製法だからこそ、こうした細かい検証が重要になります。

弊社では、DTFプリンターを実際に見て・触れて・体験いただけるDTF専用ショールームをご用意しております。安心して新製法を導入したいというウェアプリント業者様は、ぜひ弊社にご相談ください。熱転写のプロならではの最適なアドバイスをさせていただきます。

最新のデモ会・内覧会情報はこちら

【無料進呈中】導入事例レポートPDF【無料進呈中】導入事例レポートPDF

DTF PRINTDTFプリント

ウェアプリント業界で話題のDTFプリンター(DTFプリント)。日本初の国産DTFプリンター「PT-Jet」や、各種DTFプリンターを取り扱っています。

VIEW DETAIL
Mimaki TxF150-75 導入前に抑えておきたい3つのポイント
ウェアプリント業界で話題のDTFプリンター